まともがゆれる~常識をやめる「スウィング」の実験~を経て

京都から全国的にも有名なNPO法人Swing(スウィング)の木ノ戸さんと、

スタッフの沼田さん、利用者のQさんが沼津に来たついでに

アルテでトークライブを行ってくれました。

ユニークであっと言う間の時間でしたが、

その感想を風間(理事)、秋庭(カフェアルテ)、伊藤(ハチエイチ)から、お伝えします。

『 まともがゆれる 』 ~Swingという考えと在り方〈 完全版 〉~

自分がSwingさんのことを知ったのは5年くらい前に、

全国のアート作業所をめぐる旅に出た際にお邪魔したのが始まりでした。

その時は代表の木ノ戸さんにお会いすることはなかったのですが、

その後奈良のたんぽぽの家で行われた「アート化セミナー」の懇親会で一緒に飲んだことで、

やっと木ノ戸さんという人となりを知ることができました。

自分として感じたのは『真面目すぎて一周回っておかしく見られる人』という印象でした。

見た目は歩いているだけで職質を受けそうな人なのですが(本人曰く一度もない)、

実は普通の人よりもよほど真面目で真剣な人なのかなと受け取りました。

普通の人であれば『それって当たり前じゃん』、『福祉ってそういうものだよね』と

『自分の考えを挟まず』に「当たり前の解答」を優先してしまいがちなことでも、

『本当にそれでええんか??』と自分と向き合い、

最後はユニークな方法で「こんな方法もあるで、本質は変わらんけどな」みたいな感じで

新たな切り口を見せてくれるのが小気味よい感じです。

その考えが良いとか悪いではなく、

障がい特性や知的に非常にバラつきのある『多様性』な方たちを支援している福祉側が、

果たして『多様性』を持っているのかがずっと疑問だった自分にとって、

一つの福祉表現論として非常に興味深いものがあり、

それを静岡の人たちにも知ってもらいたかったのです。

◇ 表現としての自由さ ◇ かっこいいけどカッコ悪い ◇ ブラックな部分

それらを「福祉とは」を根底に置きながら表わしています。

事例を幾つか挙げると…

① 京都人力交通案内「アナタの生き方、教えます」

自閉的な傾向からバスに強いこだわりを持つQさん、XLさん

(利用者さんにあだ名をつけている段階でヤバい)の特性と、

京都という立地を活かして観光客に一番適したバスの乗り方を教えるというサービスです。

仕事にその人を当てはめない、その人に仕事を当てはめる!!

② 親の年金でキャバクラ 利用者さん本人が実際にあったことを書にしたらしいけど、もうね…。

しかし、これを展覧会にして全国開催中!!

木ノ戸さん曰く『ぎりぎりアウトを狙う』…いや完全アウトだから。

③ お掃除戦隊ゴミレンジャー 地域の清掃活動

ここまでなら珍しくない。

しかし、本気で戦隊モノのコスプレをして周りも自分たちも楽しんで行う。

最初は警察が出動するくらいの騒ぎとなったが、

10年以上続けた今、すっかり地域に溶け込んでいる。

『 印象に残った木ノ戸さんの言葉 』

◇ Swingはブランコみたいもんやから

「支点を中心に前後移動するブランコ、

大きく前に出るためにはその分後ろにも下がらなきゃならん、

それでいいんちゃうかな」という意味。

仕事とは前に進むことだけと考えていた自分にとっては大ショック。

そうかぁ、大きく振るためには戻ることも必要なアクションなのか。

◇ Swingはポンコツ集団やから これは一緒に飲むとよく口にする言葉。

うまく言えないけど、とても大事な言葉のような気がしています。

ブランコの話しと一緒で前に進むこと、優秀の人を集めること、

仕事が出来ることが正しい的な「当たり前」に対するアンチテーゼのような、

そこまで考えていないような…

「人は元の姿に戻る」

一緒に静岡まで来てくれたQさん

(そもそも沼津に来た理由はQさんがラブライブの聖地に来たかったからら)、

そしてスタッフの沼田さん。共に前に勤めていた社会福祉法人からの付き合いらしいです。

Qさんは当時、他害と破壊衝動が強く

「きっとこの事業所でも問題を起こしてSwingは大家から追い出されるんやろなぁ」

と木ノ戸さんは思っていたらしい。

スタッフの沼田さんは、一緒に仕事してみたら「こんな仕事できけへん奴と知って驚いた」

と言わせるくらい木ノ戸さん曰く『ポンコツ』だったらしい。

実際にSwingさんの機関誌(7000部)で「永遠のリストラ候補」

と表紙を飾ったこともあるらしいです。

でも、その2人が今どうかと言うと。

Qさんはすっかり他害もなく(言葉の暴力はあるらしい)、

特性上波はあるが安定している。

沼田さんはバリバリと仕事はできないが、少しずつ人前に出てきて役割をもっているらしいです。

木ノ戸さん曰く、「変化とは乾燥ワカメ。成長や進化ではなく元にもどっていくだけ」

この2人ももともとはこうだったはず。

それが施設の中の環境や仕事の中で歪んでいってしまった。

人は成長するというより元に戻るだけという持論。

これが合っているかどうかは分かりませんが、自分には響きました。

やっぱり自分は「変化は成長」だと「何も疑問を持たずに」そうかんがえていました。

いまスタッフにも安心の担保を最優先するべきなのかと考えはじめています。

「ゆれている」と思い込んでいた自分を、

笑いながら「あんたちっともゆれてないで」と気づかせてくれた木ノ戸さん、

本当にありがとうございました。

自分の拙い感想よりもHPなどでもっと詳細に活動の様子が楽しく出ていますので、

せひSwingさんのHPを見てください、

さらに興味を持ったら本も2冊出していますので、お手に取ってください。

風間(理事)

『 まともがゆれる 』

障がい福祉に携わっていつの間にか8年。

この3月からNPO法人エシカファームで働くこととなり、同じ職種とは言え、

右も左もわからない中、風間さんから「こんど京都の面白い人たちがくるから」

と青い本を渡され、数日後に、支援とは!って事が書いてあるから読む!と青と白の本も渡された。

両方の本を同時に読み進める事となり、私が揺れる。

Swingさんの本は、困ったことに面白すぎて笑いがとまらず、ページが進まない。

「あるある!!」とか「すごい!」とか「そうなんだよね」と自分に重ね無力さを感じ、

青と白の本を読みながら更に自分の無力さを感じる。

そんな日々を過ごしながらイベントが近づき、本を読んだ影響と、

利用者さんの「聖地巡礼」に付き合う心意気にかなり驚きながらも、羨ましく思った。

私もいろいろやりたかったなぁ…

以前いた法人のみんなを思い出し、普通できないよね、普通ね。普通。ふつう。

イベントの最中もキッチンからお話を聞かせていただきましたが、

真面目・不真面目。

正解・不正解。

差別・区別。

やらなきゃわからない事がたくさんあって、やってもダメな事もあって、

でもでも、

やっぱり私もやりたい!

楽しいことやりたい!!

エシカのみんなとやりたい!!!

うちも負けない。

この気持ちは、ぜひ、Swingさんにふれて感じてもらいたいです。

障がい福祉で支援をしていると視野が狭くなる事も多くて、

安全を選ぶのが当たり前になって、正解がわからなくなって、なんだか泣きそうな気持になって。

そんなとき、Swingさんをチャージすると、また笑顔で利用者さんと向き合える気がします。

なんとなく、Swingさんに、ご馳走様といいたい気分。

まだまだ、たかだか8年経験しただけの障がい福祉。

毎日毎日、正解なのか不正解なのかと悩みながら夢にまでみながら、前に後ろに揺れていこう。

おまけ

Swingさんの商品素敵でした、手書きのショップバッグも可愛くて。

でも!こちらも可愛い手書きショップバッグあるんです!

ついつい、Swingさんの商品を買った方にショップバッグをプレゼントしてみたりして。

スタッフが1番のファンですよね。

毎日「この絵みて~♡かわいいでしょ」なんて言いながら惚れ惚れ。

原画の社割ってないんでしょうかね?

秋庭(カフェアルテ)

『まともがゆれる』

なにそれ!と思える方法で、

普通・概念(ピンチ)を打破し、

チャンスをものにして発信する。

毎日がピンチで、チャンスで、

きっとそれが…ギリギリアウトを狙う。

なんて非日常的なんだろうな~と思いながらも、きっと誰しもが望んでいること。

障害福祉だけではなく、日常を過ごすわたしたちにとって、

「ギリギリアウトを狙う」

最初はそれが非日常でも、きっとそれが日常になる。

いろいろな意味といろいろな可能性を秘めた、

とってもわくわくするコトバ。

そんなわくわくもドキドキもする講演を聞きながら、

わたしは3年前のことを思い出していました。

「普通はこうするでしょ」

と以前の職場でよく注意されていたわたし。

その時は、それが「普通」だからと、

なんだかもやもやと煮え切らないものを心に留めながら、

「普通」にできない自分を恨めしく思っていました。

クリエイト。

想像し、創造する職種だったわたしにとって、

職場で「普通」という言葉はかなり嫌悪感がありましたし、

それをどう払拭していくべきったのか、

以前の職場を退職した後も、頭の中をぐるぐるしていました。

木ノ戸さんの話を聞くまで、

わたしは、わたしのなかで生まれたこのもやもやぐるぐるを、

無意識ですが、「普通」を押し付けた以前の上司のせいにしていました。

話を聞いた今は、そんな自分が恥ずかしい。

なぜ、その時に自分の気持ちと向き合えなかったのか…

風間さんの言葉を借りると、

「当たり前の解答」を優先してしまったのか…

デザイナーなのに…

全然クリエイティブじゃないじゃん!!

と講演を聞きながら、わたしの中は大反省会(笑)

あっという間の講演は、

わたしの中でいろいろな感情を生み出し、

また、それも肯定してくれ、

次へと考えるきっかけとなるものでした。

そして、秋庭さんの言葉を借りるなら、

この気持ちは、ぜひ、スウィングさんにふれて感じてもらいたいです。

障害福祉に留まらず、

ものすごいパワーと

魅力と、

あ、そうかもしれないという

日常では気付けない発見を、

スウィングさんからプレゼントされた、

そんな素敵な講演会でした。

スウィングさん、木ノ戸さん、沼田さん、Qさん、

そして段取りを整えてくれた西川さん、

本当にありがとうございました。

伊藤(ハチエイチ)

スウィングさん、京都よりはるばるありがとうございました!

感想を読んでくださった皆さんも、

つたない文章をお読みになって頂き、ありがとうございました!

スウィングさんのHPは、

http://www.swing-npo.com/

よりご覧いただけます。

是非覗いてみてくださいね!